
『文系理系・導入科目対決』。文系代表・一橋大と理系代表・東工大の講義はどこがどう違うのか。夢の対決のゴングが鳴り響く。
| 科目名 | 金融概論 |
|---|---|
| 期間 | 半期(ゼメスター) |
| 内容 | 証券論・金融論・数理ファイナンスの基礎を理解し、現実の問題に応用する。 |
| 成績評価 | 試験、宿題(各教官ごと) |
| テキスト | 証券論、金融経済入門など |
| 対象 | 1、2年(主に商学部) |
| 出席率 | 不明(テスト時は通常の倍になる) |
| 担当教官から一言 | 金融科目の基礎を幅広く学びます。 |
| 科目名 | 基礎科学物理学実験 |
|---|---|
| 期間 | 通年 |
| 内容 | 数人のチームで実験を行い、基礎物理学及び器具等の使用法を学ぶ。 |
| 成績評価 | レポート、出席、態度 |
| テキスト | 基礎物理学実験 |
| 対象 | 1年(学部指定なし) |
| 出席率 | 約92.8% |
| 担当教官から一言 | 物理学実験の楽しさを十分味わってください。 |
「専門科目しかなかった金融分野に1・2年生向けの導入科目を設けようと、数年前に金融概論が創設された。講義の目標は、学生に金融の研究についての知識・関心を持ってもらうこと。そのために金融の諸分野を広く浅く教えている」と小川英治教授(マクロ金融分野担当)。
「講義はしていて楽しいし、受講者の反応も非常に良い」と語っていたが、「ただ、出席率は悪いよね……」とも漏らした。
「公式だとか経験ではなく、自然に働きかけ、実際に自分で手を動かすことで、自然のからくりを理解してほしい」と垣本教授。
「さらに、この科目を通じて、実験全般に対する基本的な“実験屋”としての姿勢を身につけてもらいたい。例えば、いくら実験に時間がかかったとしても実験中に飲食は絶対してはダメです。データも汚れるし、もし放射能を扱う実験だとしたら命にも関わりますから」。
近年、他の講義同様、講義資料のWeb化が進んだ。
「Web上からはいつでも自由に、レジュメがダウンロードできる。それにより、出席しなくても一定の学習が可能となる。そのため学生から、『講義の意義が薄れる』との批判もあった。しかし、講義資料以上の情報を、講義で与えている自信はある」
3年前からのコンピュータ化が、実験に意外な影響を及ぼした。「数値計算は楽になるが、手を動かすアナログ的な能力は低下してしまう」
“実験屋”の基本姿勢としても、手を動かすことは重要。「例えば、実験記録を書くとき、必ずボールペンを使う。水を被ったり、誤って消そうとしても大丈夫だから。そんな実験の常識を身につけられなくなっている」と、教授は危惧する。
講義で使用される道具はパソコン・プロジェクターとごく普通。だがその分、教官の講義への意気込みが質を左右する。
「経済新聞のようなTOPICのみの説明では講義にならない。一方で理論だけの説明でも学生は満足しない。だから、最新の問題を、理論的に説明することを心掛けています」
そう語る小川教授の研究室には、専門の国際金融論から経済学・数学まで多様な書物が山をなす。金融初学者のためのこの講義は、教授の精緻で幅広い知識を土台に作り上げられている。
出席者数が700人以上のこの科目で、教授が学生全員に対応するのは不可能。
「そこで助手・院生・技官の方が、ティーチングアシスタント(T.A.)として、レポートの書き方から理論の解説まで、幅広くサポートしています」。そう語るのは、昨年度のこの授業のT.A.の方。
「実験テーマ移行時の器具入れ替えや、指導経験不足のT.A.に対する教育なんかは大変ですね。また、T.A.と学生間のトラブルなんてこともありますしね」。授業現場での直接指導に奮闘する彼らT.A.も、授業を支える大きな原動力だ。
※東工大の授業が履修できるのかは……定かではありません。