
「『ジバン』・『カンバン』・『カバン』の“3バン”がない人でも、能力と志があれば、政治家になれるように」。そう語るのは、政治家支援団体STATESMAN代表富永恭生さん(社3)。
「ジバン」・「カンバン」・「カバン」とは、政治家にとっての「支持基盤を持つ特定地域」・「政治的に著名な血筋」・「豊富な資金力」のことで、政治家になるための必須要件とされてきた。STATESMANの活動を端的に言うと、高い能力と政策構想を持ちながらも、“3バン”をもたない新人候補者の選挙支援を通じて、理想の政治家を作ることだ。
実際、96年の設立以来、3名の衆議院議員と、各1名の東京都議、多摩市議の誕生に貢献し、メディアでも注目を浴びている。
不偏不党をスローガンとするSTATESMANは、政党や政治思想を度外視し、人間性と政策の合理性のみにより志願者(パートナー)を審査する。支援決定後は街頭演説、宣伝ポスター張り、あいさつ回り、講演会といった選挙活動一般の支援を、無償で行う。ボランティアにこだわるのは、富永いわく「お金をもらうと、STATESMANが、言いたいことをダイレクトに言えなくなるから」。
パートナー当選後は、公約の実行チェックと、パートナー元へのインターンの斡旋、支援を行う。インターン生は、議会の傍聴、政策調査、あいさつ回りの同行など、議員の仕事全般を体験できる。“お客さん”扱いの従来型のインターンとは、一線を画すものだ。
富永は選挙を「お祭り」と表現するが、その準備や一連の作業に要する労力は並ならない。
「一介の学生団体が、5人もの政治家を生んだ。これはひとえに、地道な選挙活動の賜物。だけど逆に、有権者の支持を得るための、斬新なアイデアはない。街頭演説、あいさつ回り、ビラ配り。地道にやるだけ。若い人がビラを全然もらってくれないことも多くて、“政治的無関心”を肌で感じますよ(笑)」
しかし、富永はこうも表現する。
「実際の仕事はかなりきつい。すべてボランティアで、目に見えた利益もないから余計ね。
だから、いかに活動の中でやりがいを見つけるか、ってのが大切。例えば、社会人との直の繋がりとか、選挙活動やインターンを通しての経験、社会貢献の実感とかさ。“修行”って割り切っちゃって、無理やり自分を納得させてる部分もあるけど」。
“理想の政治家育成工場”の代表を務める富永自身、生粋の政治家志望だ。「小学校5、6年から政治家になりたかった。社会の枠組みを変えるのは政治家なんだって、ずっと思い続けてる」。
だが彼も、一橋大学入学後しばらくは、政治とはまったく無縁の毎日を送っていた。「合唱サークルにいたんだけど、なんか物足りなかった。そんな時大学でビラを見て参加したのが加藤公一さん(現衆議院議員)の懇親会。『責任』と『自由』ってのが同居した雰囲気で、すごく興味深かった。それに、社会人がたくさんいて、人のバリエーションの豊富さにも驚いた。大学の『狭い意味での仲間意識』の世界から解放された心地がしたよ」。この懇親会後、彼の心に迷いはなかった。
活動内容が政治家支援とあり、「色眼鏡で見られる」のが実態だという。しかし、「組織として、一定の政治的信条など、決まった考えはない。議論もするけど、論調は統一しない。方向性はバラバラで、かなり風通しがいい。だけど、支援するパートナーを一度決めれば、全員一丸となって全力で協力する。そこがSTATESMANのいいところだし、その風潮は変えたくない」
「“3バン”がない人でも、政治家に。そうやって政治を変えたい」と富永。だが、“政治家支援”という旗の元に、多様な個性が一体となっているSTATESMANは同時に、「狭い意味での仲間意識」という枠組みさえ打ち壊しつつある。
| 名前 | STATESMAN |
|---|---|
| 活動日 | 日曜夜 |
| 活動場所 | 国分寺、代々木オリンピックセンター、各議員事務所 |
| メンバー数 | 12人 |
| 他大学との関係 | 中央、早稲田、慶応、ICU、東京農工など |
| 学生以外との関係 | OBとの交流/議員、議員事務所との交流 |
| 代表者連絡先 | 富永恭生(dolphy@george24.com) |
【新歓情報】
サークル紹介には参加せず。
新歓イベントは、講演会兼説明会を4月に一橋大学で開催予定。