THE IKKYO TSUSHIN

SPOTサークル-2- ~第二回:かものはしプロジェクト~

伝える一歩。支える一歩。自分の足で、歩む一歩。

希望を持って生きられるように

かものはしプロジェクトは、カンボジアの児童買春問題に取り組む NPO 法人。「東南アジアの子どもたちの笑顔は輝いていて、彼らのために何かしたいと思ったのが始めたきっかけ」と語るのは、代表の村田早耶香さん。

村田さんは、国際交流学を専攻する学生として大学 2 年次に NGO 主催のスタディツアーに参加した。その途上、とある HIV ホスピスで 5 歳の女の子と出会った。「なぜ 5 歳の子どもが」との疑問に対して浮かび上がったのが児童買春問題であったという。すでに死去していた母親が買春の被害に遭っていた。「子どもたちの親、未来を奪うような状況に危機感を覚えた」村田さんは続ける。

「買春の被害に遭いやすいのは貧しい家庭に生まれた子ども。家庭にとどまるか、買春宿に売られるか外に働きに出なくてはならないかという狭い選択肢しかない。彼らの選択肢を増やして、未来に希望を持って生きられるようにするのが私たちの使命です」

伝えることが大事

帰国後、あらゆる文献に目を通した。さまざまなワークショップにも参加した。「伝えることが大事」そう考えた村田さんは、大学での講義中に児童買春問題の実態を広く認識してもらうことから始めた。幸い学生や教授の関心は高く、講義時間のすべてを議論に費やしたこともあったという。

そして 02 年 7 月、本木・青木(現理事)の支援も得てプロジェクトが発足した。当初 2 人は、村田さんのビジョンに反して買春問題に対しての問題意識は低かった。ビジネスチャンスとのみ捉えていた側面もあったという。しかし、「だんだん問題に触れるにつれて、変わってきた」という。村田さんの熱い想いは 2 人の問題意識さえ変えてしまったのであった。

自立できるような支援を

事業内容は、『カンボジアにおいて、買春の被害に遭う可能性が高い子どもを保護。小中学校での基礎教育を提供した後、仕事に就いて自立できるよう PC と英語教育を提供する』といったものだ。

「縫製、理髪など簡単な職業訓練をしているところはたくさんありますが、PC や英語の本格的な訓練をしているところは少ない。状況の悪かった子どもたちが頑張ったら高い賃金を払われる職業に就くことができる。職業の幅を広げることと、引き上げる可能性がある 2 つの点から PC と英語の教育を提供しようと考えています」

新たな事業モデルについても語ってくれた。日本企業から受注した PC 関連の仕事の一部をカンボジアにまわし、日本に戻して納品する。そこで発生する収益を子どもたちの教育費に充てるといったものだ。「縫製の職業訓練を受けていた子が PC 教育を受けたことで、PC の先生かメンテナンスをやるひとになりたいと言っていたことは印象的でした。今後は、ビジネスモデルを現地や子どもたちに合うようにしていきたい」

支えて 支えられて

社会問題に向き合う団体だからこそ、外部とのつながりは広くて深い。「若者の NPO 支援というのを NEC さんがやっているんです。半年間の支援の中でチェックやアドバイスを受けたりしました。想いに共感してくれた企業経営者の方から個人的に寄付金をいただいたりもします」企業、経営者以外とのつながりも密接だという。

最後に、かものはしプロジェクトの魅力を語ってもらった。「カンボジアの児童買春問題は根が深いし、深刻。活動している団体が少ないからこそ、自分たちの活動に魅力を感じています。児童買春の減少やゴミ山で暮らす子どもたちの生活改善をしていくなかで、状況をよりよくしていきたい。また、新しいことに取り組む若い世代とみられることも魅力ですね」

児童買春問題はカンボジアだけにとどまらない。ゆくゆくは東南アジア全体を包括する団体像を目指している。「現在はモデル進化の時期。本格的に始動するのは来年からです」村田さんの挑戦ははじまったばかりだ。

Data
団体名かものはしプロジェクト
代表理事村田早耶香
事務所〒 182-0022 東京都調布市国領町 4-48-9 村田ビル 1 階
URIhttp://www.kamonohashi-project.net/
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Last Updated: 2009-06-25T03:52:41+09:00 (Thu)