

黒く染められた部屋の中で、ただ一点白く光っているディスプレイを、ひとり眺めていた。ここは一面、黒色の平面だけの荒野。一度踏み込めば、もはや目印などは用をなさない。あとはただ、横かもしれない前を進みつづける……。
長かった迷路もようやく終わる。そこは入り口と出口がくっついた迷路。終わらないことで終わりとなる。なあに、檻が内に閉じているからといって、内側にいる者を閉じこめようとしているとは限らない。
今、ぼくのそばにいるのは賞味期限の切れた言葉たちだけ。どんなに崇高な言葉も、腐敗すればただのゴミとなった。ぼくは言葉たちから逃げ出した。しかし、言葉たちは屈強であった。彼らは腐れば腐るほど、粘性を増してぼくにまとわりついた。ぼくは倒れた。
雑な言い方を許してもらえば、「運命」とは権力の一種である。何人であってもそれに逆らうことはできない。もし逆らうことができるなら、そもそもそれは「運命」ではないのである。律することができるから「運命」というのではなく、律しているから「運命」というのである。
そういう意味で、物語というのもひとつの運命を有しているといえるだろう。登場人物たちは書かれてあるとおりのことしかできないし、書かれてあるとおりにしかならない。ぼくらは書かれてあるとおりのことしか見ないし、知らない。
ぼくは「運命」なんてきらいだ。しかし、事実だけを扱うような雑誌であっても、それが物語としての性質をもっているかぎり、そこが「運命」の隠れ蓑になっていることは否定できないだろう。奴は物語の中の登場人物たちや読者諸君を食い物にしてくれると思われているようだが、それは見せかけである。実はぼくら制作者の気づかないうちに彼らを洗脳し、そして彼らと結託してぼくらをしゃぶりつくすのが、真のねらいなのである。見せかけがあからさまな嘘ならまだしも、本当に彼らを食い物にもしているのだからたちが悪い。こいつをなんとかする方法は、ぼくらが書くことをやめることだが、しかしそうすると、物語という餌のなくなった登場人物諸君や読者諸君の格好の餌となって食いつぶされてしまうのである。そうならないためには、物語という餌を与えつづけてやるほかないのだ。
そんなことでやり過ごしたとしても、ぼくらの自家中毒を早めていくだけにしかならないだろう。しかし、何もしないよりはましなはずだ。ぼくが自分の手で首を強く絞めれば絞めるほど、奴の手型は強く残るのだから。自殺に見せかけて殺すのは暗殺方法の相場らしいのだが、どうやら殺人には証拠が必ず残ってしまうのも相場らしい。そうそう、死刑執行人が笑わないのは――人を殺すからではなく――自分もまた死刑台に上がったもうひとりの死刑囚であるから、というではないか。だから、奴もきっといつかは裁かれるはずなのだ。
代筆:廃人@入稿後2日後
M先輩、A先輩、あとSくんもYくんも……あなたたちの将来が心配です。いや、自分の将来のほうが危ういのですが……ああ、なんで他人の心配してるんだろう……また1時間、そんなことで悶々と悩みました。
そういえばM先輩、なんであのとき声なんてかけたんですか? A先輩、早く本持っていってください。図書館のでしょ、それ。貸出期限、1ヶ月も前ですよ。
K先生、下ネタはほどほどに。あ、それより結婚式はいつなんですか?
O先生、また飲みましょう。無事ニートになった暁には、養ってください。今のところ食費だけですむと思うので、割とお手頃だと思います。
別のA先輩、あとはまか(略
ほかのみんなも、何やっているのかな? 最近あった人も、まったくあっていない人も、元気でやっていれば何よりです。
そして、春号参加のメンバーへ。
Kさん、いつもぐだぐだですいません。
Aくん、大変な仕事任せちゃったね。でも、ご苦労さま。
Yくん、最後までこき使って悪かった。今号の撃墜王は君だ。
Mくん、Nさん、初めてで慣れないことも多かったと思うけど、よくがんばってくれました。未熟者の指導で申し訳なかった。
なんだかんだ言っても、みんなの協力があって、無事春号を発行できました。いろいろ苦労ばかりでしたが、こうやって今完成を迎えることができたことをうれしく思います。よければこれからもよろしく。