
4月14日に放送されたNHK「クローズアップ現代」では、《若者の投票率低下》をテーマに、「選挙離れ」する若者達の意識に迫っていた。そこで紹介されていたのが、20代の投票率向上を目標に活動するivoteの取り組み。自らウェブサイトを立ち上げ広報を行うと共に、他大学の団体・フリーペーパーとも協力してこの波を広げようとしていた。
いま、なぜ若者の投票率向上なのか?――テレビでは語りきれなかった深さまで潜って――聞いてみたいと思いお話を伺う機会を設けてもらった。聞き手は本学社会学部4年の天野彬、interviewerはivote代表の原田謙介さんと細田崇文さん。
※なお、紙面上省いてしまったインタビュー内容はこちら
――まず、ivoteの活動内容を教えてください。
原田)僕らは若者の投票率向上を目標にやっています。対象は政治に興味のない若者。そういう人達に政治に興味を持ってもらえるようにしたいので、活動は固いものにならないように、でも固くないけど政治に活動を持っても来投票に行ってもらえるような活動。
具体的にはクロースアップ現代でも紹介されていた「メールプロジェクト」(事前に登録しておくことで、投票日の当日にその旨を伝えるメールが届く)です。クラスの人などでも投票に行ったことのない人がいるが、10分くらい話してみると政治に関心があることは分かる。でも行こうとは思っても投票日に投票する人が少ないので、若者の投票率が下がってしまう(35%)。投票に行こうと思った気持ちを投票日に思い起こしてもらうためにメールプロジェクトを始めた。登録したことを忘れてしまっても、投票日の朝にメールが来る。未来の自分に約束みたいなかたちで始めました。
もう一つが、「居酒屋ivote」。実際に政治家の人と関わって、「政治家って意外と真面目だな」と思ってもらうことを目標に。学生が行くような居酒屋に学生を60人集めて、国会議員に5人来て貰って飲みニケーション。半分くらいは政治に興味もなかったし投票に行ったことなかった人だったけど、会の後のインタビューでは興味を持ってもらえたことが分かった。政治家の方々も、政治的にニュートラルな若者と接することが少ないので、そういう学生の意見を聞けたのは興味深いと言っていた。
――活動の苦労はどういったものがありますか?
原田)去年の4月に始めてから、「若者の投票率上げるぞ」と言ってもどうしていいか分からなくて、半年くらいは迷走状態でした。まず考えたのが「協賛をもらおう」ということで、全国的な飲食チェーン店などに交渉したんですが、「政治」というだけでアウトというのが多かったのが残念。政治的な立場などは出していないのに、投票率を上げようというだけで切られてしまった。お願いした企業のCSR部門などは、政治のことに関わるつもりはないと。政治・宗教はタブーになっちゃってる感じなので。
他には、30代・40代の人や社会問題・政治に興味を持っている若者からは興味を示してもらえるんですけど、そうじゃない人(=ターゲットである20代)からの反応が薄くて難しい。書いてもらって知ってもらうなどの地道な活動を続けていくしかない。
――同じ年代の人達と多く関わっていると思いますが、いわゆる「若者の政治離れ」を感じることはありますか?
原田)それはあります。何て言えば投票に行かなきゃヤバイぞっていうのがうまく伝わるか。いまの50代、60代ばかりの意見を聞いている政治家ばかりだと将来の日本がヤバイというメッセージが伝わらない。なかなかそれを説明しにくい。
あとは政治不信が強い。政治が嫌いだというのがあるので、誰にも入れたくないという人が結構多い。そういう人に言うのは、無効票で良いから入れてほしいということ。「みんなダメだ」というメッセージになる
細田)白票を入れるのも一つの行動、一つの意思表示。
原田)もし50%中の20%が白票だったら面白いと思う。そのメッセージはとても強い。
――様々な識者の分析を聞いたり、あまり政治に興味の無い若者に数多く接したりされたと思いますが、実際に若者の低投票率の問題の原因は何だと現時点で総括していますか?
原田)一つは教育が大きいと思っていて、学校で習うのは議員の定数や任期といった知識で、それを覚えていれば○が来た。でも実際の政治の仕組みや現実の政治の動きなどは無かったし、20歳になったら投票に行くように言われたこともほとんどなかった。小さい頃から行くんだよと言われていれば行くだろうし、政治の見方を学べていないことが教育の問題。
あとは政治嫌いになってしまっている。マスコミの報道や議員さんの見せ方も悪いと思うんですけど、例えば麻生さんがバーに行ったことがそこだけクローズアップされたりして、実際の政治の問題については報道されていない。政治の本質が見えないまま。それが大きい。
細田)無力感のようなものもある。変わらないということに対して。今の人はすぐに反応や結果を求めてしまう傾向があるので、投票で何が変わっただろうと考えてめんどくさいとなっちゃう。あとは「分からない」という問題がある。何が何だか分からないうちに、例えば年金の制度などが変わっちゃっている。伝えられていない。
原田)そして自分たちには関わりないものだと思ってしまう。
――今後の展望/活動内容と、一橋通信を読んでいる人へのメッセージなどをお願いします。
原田)今後の展望としては、僕らivoteがどれだけ活動をやったとしても、限界はあるんですよ。なので同じように思ってくれている人がいたら、一緒に作り上げていければいいなと。全国の学生と、次の選挙に向けて何かやろうという話を進めているところ。投票率を上げようという団体だけではなく、教育や環境についての学生団体と一緒に。
大学生の間に学んだことと政治は密接に関わるはずなので、そこから政治に興味を持って行動に移してもらえればいいと思います
細田)一人ひとりがちょっとした問題意識を持っているはずなので、自分の中でやばいなと思うだけでなく、周りの人に「選挙行かない?」などと呼びかけて欲しい。
原田)同じ世代の人なら誰とでも、一緒に何かやろうと思ってます。
なお、ブログも鋭意更新中!